The Walking Dead コミック 154話の原題は、”Led To Slaughter”です。表紙は、リックとミショーンが背中を合わせて、ウィスパラーズと対峙しているシーンです。
あらすじ
アンドレアとマギーの会話
アンドレアが、馬に乗って駆けていくシーンで始まります。
「こんなところで、おしゃれなミーティング (出会い)ね。」とアンドレア。
アンドレアが出会った相手はマギーでした。マギーも馬に乗っています。
「もう、戻るの?何が起きたの?」
「もう? 歓迎は既に終ったわ。(ヒルトップの方は)全てうまくいっている。アレクサンドリアの方は、面白い状況になってきているわよ。だけど、その話はリックからあなたにしてもらうわ。私達は、もっと素早く行動しなければならないのに、そうなっていない。私は夜キャンプするのに良い場所を見つけるために、キャラバンより先に行ったの。」
「ハーシェルは、ちょっと大きくなってきたようで、そのことで、気が休まるわ。」
「あなたの秘密は、私に話しても大丈夫よ。」
「リディアに関しての問題は解決していると、あなたに伝えて欲しいとリックに頼まれたわ。もしも望むなら、私達と一緒にあなたとカールとリディアも一緒に乗って帰ることもできる。」
「ありがとう。でも、船は既に出航したことを私がリックに伝えるわ。カールはヒルトップで得た自由を手放さない。ここが今の彼の家なのよ。」
「戻ったら、彼に話をするわ。彼はまだ子供よ。父親と一緒にいるべきよ。特にこれまで起こってきたことを考えれば、そうなる。彼が傍にいてくれるのはとても良いことだけどね。ソフィアにとっても良いことよ。」
「そのことをまだ望んでいる?お止めなさい。」
「違う。そんなんじゃないわ。クレイジーガールが妊娠する。お願いだから、私はそんなドラマは欲しくない。ただ、彼ら(彼と彼女)は同い年だってことだけ。彼らは、一緒に沢山の事を経験してきた。話をできることは良いことだわ。彼らは友達よ。」
「あらまあ。彼らは、実際の所、大人よ。信じられる?」
「私は、我々の半分がこれだけ長く生きてこれたことが信じられない。言葉の選択が貧弱だったわ。まったく。」
「はい、そうね。テクニカルに言って(実際の所)、ここまで生きてこれたのは、半分もいないわ。」
「ええ。今、そのことを言って、私は自己嫌悪に陥っている。後、数時間以上は続くでしょう。」
「そうね。私は、言うべきではなかったと後悔している娘を置き去りにしたくない。でも、本当はしなければいけない。」
「言っとくわ。気にするのやめなさい。私は夜通し馬に乗って行かないわ。あなたと一緒にいる。私は最近、赤ん坊を抱いたことはほとんどない。私のためにも、もう少し多くのハーシェルとの時間が欲しい。」
「彼のその時のムードによる。そのことが分かるわ。」
ニーガンを捜索するミショーンとアローン
ウィスパラーズが杭を立てた境界線、横たわっている若い男に向かって、馬に乗ったミショーンとアローンが近づいていきます。
馬に乗った状態で、倒れている男を見ながら、アローンとミショーンが会話をします。
「くそ。誰だか分かる?」
「ええ。ブランドンよ。昨日、彼はリックを攻撃した。これで、ニーガンが脱出できた理由が分かったわ。」
「彼はまだ、ウォーカー化していない。僕の方で、処理しておく。彼を埋めるか?」
「時間がない。ニーガンは、まだ、遠くに行っていないはずよ。もし、彼がブランドンを殺したのなら…そして、ブランドンはまだウォーカー化していない…彼は、近くにいる可能性がある。
良くない状況よ。暗くなり始めている。私達は急がないといけない。」
「彼のことを心配するのは、帰る時にしましょう。」と言いながら、ミショーンとアローンは、境界線の先に向かって、馬に乗って駆けて行きます。
ニーガンとウィスパラーズの遭遇
沈み始めている夕日に向かって、薄気味悪い雰囲気の朽ち果てた住宅街をニーガンが歩いています。
「バカ息子。寝袋か何かを掴むな。ブランドン、俺はそのまま寝るので大丈夫だ。」
「お前を刺しておいて、良かった。」
ニーガンはナイフを手に持って険しい表情で叫びます。
「隠れているところから出てこい。そして、お互いに直面すれば、俺が持っているでかいナイフが見えるだろう。俺も、お前らが何を持っているか見ることができる。…そうなれば、これから起こる面白いことがどんなものになるか分かる。」
すると、ナイフを手にしたウィスパラーズ達が多数、姿を現します。
「OK。お前らもナイフを持ってるな。クールだ。」
少し驚きと興味に満ちた顔で、ニーガンは言います。「わお。お前ら、本当に怖いな。もう少し暗くなったら、スキンマスクから見える口の部分が見えなくなって、死んでる奴ら(ウォーカーズ)と全く見分けがつかなくなるところだった。
クレイジーだ。」
「どうやってお前らは、誤って刺し合ったりすることを避けるんだ?…林の中で突き飛ばしてみて、「おお、彼は既に死んでいた。」とか言ったりするのか?正直な所、少なくとも一度は起こったことがあるだろう?バカなことを俺にはするなよ。」と不敵な表情に戻って話すニーガン。
「我々が何者か知っているだろう?」ウィスパラーズの一人が言います。
「俺には目がある。…だから、答えはイエスだ。お前らのことは知っている。スキンスーツを着用して、デッド達から区別できないようにしている人間だろ。それとも、これは気違いみたいに振る舞うことで、人の皮にもう一つのジッパーが付いていて、犬が中にいるのか?それとも、お前らは、生きたマトリョーシカ人形か?」
原文では、ニーガンは、”Are you guys like living Russian nesting dolls?”と言っています。Russian nesting dolls は、Matryoshka doll(マトリョーショカ人形)のことです。
マトリョーショカ人形:胴体の部分で上下に分割でき、その中には一回り小さい人形が入っている。これが何回か繰り返され、人形の中からまた人形が出てくる入れ子構造になっている。
「なぜ、ここに来た?」とウィスパラーズ。(生きたマトリョーショカ人形😉)
「お前は、この寂れた道が何か特別なもののように言う。俺は「あそこ」に行くために「ここ」に来た。俺は、「あそこ」がどこだか見当がついているか?答えは、NOだ。俺は、死者達の世界で生きようとしているだけだ。このスキンは、機能するのか?だったら、着てみるか。」とウィスパラーズに囲まれながら、両手を広げてリーガンは話します。
「お前は送り込まれたのではないのだな?」と横から声をかけられます。
「はあ〜?送り込まれる?」
いつの間にかニーガンの背後にスキンマスクをした巨大な男が立っています。
「こりゃーたまげた!お前は、おそろしいな。おお、神様よ。お前さんは反逆者か何か?フルスキンスーツを着ることができない?ただのスキンヘルメット?連れ立っていただけで、ほかのやつらが、俺に関心を示すな!デッドがお前のあごに気づかないことを望む。とか言われたりするんじゃないか?
フルスキンスーツは、暑いと思う。俺も、お前の変更版にするかもしれない。それとも、おまえの巨大な体を覆えるだけのスキンを見つけることができなかっただけか?
でかいの、お前の名前は?」
「俺達に名前はない。俺はベータと呼ばれている。」
「おかしな名前だな。バカな名…だが、それもありだろう。」
「お前の話は、おもしろくない。大声を出しすぎだ。ここは、もはや大声をだす世界ではない。お前を黙らせる必要がある。」
「それは脅しか?」
「俺はバカではない。お前らは、10人いることを数えることができる。残っているのは、死んでないやつらだ。お前さんが俺を取り囲んでいる奴らを抑えてくれていることには感謝するが、俺のハンサムな得物は、二人しか実際に戦うことはできないだろう。
全面的な戦いになったら、俺は勝つことはできないだろう。特にお前とは…嫌なMcTwoナイフが飛んでくる。しかし、俺は少なくともお前らの内の3人は確実に殺せるだろう。多分、数人に良い突き刺しをして、お前は後で死ぬだろう。」
「そう思うか?」とベータ。
「そう思う。お前もそう思っていると思う。必要でなければ、俺とは戦いたくはないだろう。そして、ニュースフラッシュ…その必要はない。」
「俺は参加希望者だ。お前らは誓いを立てるのか?おれは一日中、誓いを立てても良いぞ!俺は長いこと孤独だったんだ。俺は同棲する準備がある。同棲ではないな。しかし、お前ら全て着ていなければ、できるんだろう。
なにしろ、俺が言いたいことは、安全な場所で今晩眠りたいだけだ。」
「彼のナイフを取って、連れて行け。」と背を向けてベータは歩き出します。
「お前はタフの様に振る舞っているが、実はソフトだろう?ベータ、McTwoナイフ?
弱すぎて、親指を突き立てることもできないのだろう?違うか?」
無線機で話し込むユージン
「人の皮を被った者達…彼らが杭に頭を乗せて…境界のような線、印を作った。彼らは、我々の祭り(フェア)に紛れ込んだ…スキンを付けずに…部外者が複数潜入したことに気づかなかった。
我々は、彼らとの戦闘のために準備をしている。…そして、皆、ギリギリの所にいる。我々の住人の一人は、我々の別の居住区の男と気づかずに、彼を撃った。どうぞ。」
「あなた達は、人が自由に銃を持ち歩くこと許可しているの?どうぞ。」
「通常は違う。…しかし、最近起きた出来事から、それらの制約は無くなっている。我々は戦闘の訓練を行っている。多くの銃が渡されている。どうぞ。」
「オーケー…それは分かる。…ごめんなさい。」
「ハロー?君を何と呼べば良いのか?君は、君の名前をまだ僕に話してくれない。信じられないことだ。どうぞ。」
「私はここにいるわ。ごめんなさい。私はただ…ウィスパラーズとかいう話、その様なことを、一切聞いたことがなかっただけ。暗い過去を持つ人を連れてこなければならないこともあった。…守られていない場所に住むことが大変なことは分かる…でも、そのようなことに出くわしたことは一度もない。気持ちが全く落ち着かないのです。どうぞ。」
「そうだろう。それは大きいと思う。どうぞ。」
「一年前頃に、一人の男がやってきた…その人は、血を自分に覆うようにいつもしていた。…フレッシュなものでいつも…
それはちょっと問題だった。…だけど、これ…これは全く別。広く散らばっていて、コミュニティー全部が…そのプロセスや背景…それほど多くの人が…
…人として、彼らについて多くの推測をすることになる。しかし、恐らく公平ではない。生き残るために人が行なったことについて判断を下さないようにすべきよ。どうぞ。」
「殺された一人…頭は… ロジータ、私のガールフレンドだった。彼女は妊娠していた。」
「ユージン?本当にごめんなさい。私は何も知らなかった。とても無神経だった。」
「何を言って良いのか本当に分からない。…本当に、本当にごめんなさい。…ユージン…」
ユージンは、拳を握りしめ、机に顔を伏せています。
「私の名前は、ステファニーよ…」
ユージンは顔を上げます。
カールと戻ってきたEarl Suttonと鍛冶場での会話
鍛冶場で一人で作業を行っているカール。
「おお!お前が代わりにやってくれてたのか?」
「あなたが僕にして欲しいだろうと分かったやらなければならない仕事があったので作業していました。間違ったところがあれば、もう一度、溶かして下さい。」ゴーグルを上げて、カールが返事をします。
「君のガールフレンドは安全だ。誰も彼女を元のところに送り返そうとはしないだろう。または、彼らがしたことについて、彼女に罰を与えようとしたりもしない。残りは簡単だ。」
「ありがとうございます。ここを片付けて、その良いニュースを彼女に伝えても構わないですか?」
「もちろんだとも…私は、君が働いていたとは思っていなかった。直ぐに行きなさい。」
カールとマギーの会話
外に出たカールの後ろから、ハーシェルを抱っこしたマギーが声をかけます。
「カール」
「Earlがそのニュースを伝えてくれました。」とカールは答えます。「彼を家に連れっててくれる」と隣のソフィアにハーシェルを手渡ししながら、マギーは話を続けます。
「あなたのお父さんから、あなたが望むなら、あなたとリディアの両方共、アレクサンドリアに戻っても構わないと伝えてくれと言われたわ。」
「なぜ、僕がそうする必要があるのか?ここが僕の家だ。」
「彼は色々起こっている出来事について心配しているだけだと思う。あなたが傍にいて欲しいのよ。」「もし、ソフィアがどこか別の所に住むことを望んでいたら、私も同じ様に感じると思う。」
「彼女はそのことを心に留めていくと思う。僕がそうであるように。僕は、ここに属している。でも、分かるよ。あっちにいないことが、時々、悪いと感じる時がある…」、「しかし、僕は、一人の男としていたい。僕はもう子供ではない。」
「ええ。あなたは、本当に子供ではない。」
「子供でないのは、随分前からのことだよ。」とマギー背を向けて、カールは歩き出します。
アレクサンドリアに戻ってきたアンドレア
アンドレアが、アレクサンドリアに戻ってきました。ゲートのところで、Siddiqとハグをしています。
「ハイ! 私もあなたに会えずに寂しかったわ!帰ってきて良かった。」
「あれは一体何?」壁にペイントされている”Silence the Whisperers”のスローガンを見て、アンドレアが尋ねます。
「ああ、あれね。君がいなかった短い期間に沢山の事があったんだ。リックは、ミーティングホールにいる。僕の乏しい説明で不必要な混乱を与えたくない。」
「ありがとう。Siddiq」と言って、アンドレアはリックの所に向かいます。険しい顔をしています。
ミーティングホールのドアを開けるなり、「一体、何が起きたわけ?壁にプロパガンダなんかペイントして。誰かが怪我するわ…」と言いながら、傷だらけの顔のリックを見て、驚きます。
「オーマイゴッド…」、「誰がこんなことをしたの…あなた大丈夫? あなた、歯を失っているじゃない?!一体、何が起こったの?」
「私は、より良いリーダーになった。」とリックはアンドレアに言います。
ウィスパラーズのテリトリーでニーガンを探すミショーンとアローン
ミショーンとアローンは、ニーガンがウィスパラーズと遭遇した所と似た道を馬に乗って進んでいます。
「彼は本当にハンサムだと思う。彼は、何十にも隠した層の強さを持っていることは想像できる。あの男は、真の強さを持っている。ジーザスのこと…当たっているでしょう?」
「色々な点で、君が、関係についてのアドバイスを誰かにするのに最適な人かは不明だ。」
「あらまあ。私の方に話題を振らないで頂戴。あなたは話題を変えようとしている。」
「エリックを失って、僕は本当に抜け殻になってしまった。正直に言って、僕は誰も探していない。その様な目で彼を見たことはない。ジーザスは素晴らしい。しかし、彼を対象として見ることはない。
そして、正直な所、彼にはお呼びがかかっている。ヒルトップでは、アレックス…彼は、彼を誘っている。僕はそのことは好きではない。」
「本当に何が起きているのか分からないわ。
私はアレックスのことは良く分からない…でも、彼らの間にあることは、彼らの間のことよ。」
「ジーザスは、あの男の気持ちを弄んでいることは分かっている。」
険しい顔をして、唇に人差し指を当てて、静かにするように制するミショーン。
二人は馬から降りて、武器を手にします。前からウォーカーズがやってきます。ウォーカーズを倒す二人の周りをナイフを持ったウィスパラーズ達が取り囲んでいます。ベータの姿もあります。
「犬達(ウォーカーズ)をけしかけるのは止めさせて!私達は、あなた達を痛めつけにきたわけではない。ここに戦いにきたわけではない!」とミショーンは言います。
「私達を知っているわよね。脱獄者が境界線を超えた。私達は、彼を捕まえようとしているの。彼は、とても危険なの。彼を捕らえたら、我々は直ぐに立ち去るわ。」
「アルファは明言した。我々のボーダーを超えてはならない。」
「我々は、あなた達を傷つけたくない!」
「そうであれば、我々は優位だ。」と言って、アローンに圧力をかけるベータ。
そして、アローンの腹に深々とナイフを刺します。
「アローン!」驚愕の表情のミショーン。
「お前たちはここに来るべきではなかった。」と言って、アローンを刺したナイフを引き抜くベータ。
ウィスパラーズの拠点に連れて行かれたニーガン
ニーガンは、多くのウィスパラーズがいるキャンプに連れいていかれています。
「全てを見たと思うようになってきた。」とニーガン。
「こっちだ。」と案内の男。
「連れて行け… しかし、後で、俺は自分用のスキンスーツをピックアップすることができるのか? クロッチ部にゆとりのあるものが必要だ。
俺のに関して、お前たちはジッパーを使用しているのか?それとも、ボタンか?」
「小便をする時、沢山のボタンを外すことはできない。」
「この男は誰?」と横から声をかけられます。
不敵な表情で作業台の上からニーガンを見下ろすアルファ。
「お前は、アルファに違いない…自己紹介させてくれ。俺はニーガンだ…」
「そして、恋におちてしまった。」
感想と考察
153話は、ウィスパラーズの境界線を超えて拠点に向かうニーガンで幕を閉じました。154話は、シーンが変わって、馬に乗るアンドレアです。ニーガンがどうなるのか、捜索するミショーンとアローンはというところに読者の関心が集まる中で、上手な切り替えだと思います。興味が高まるニーガンの動向については、後半でたっぷりと味あわせてくれます。
アンドレアとマギーの会話は、大きくなってきた子供を抱える親の気持ちや子育ての難しさ、子供との接し方、考え方の違いなどを上手に取り込んで描いています。
二人共、血は繋がっていないものの大きくなってきている子供がいます。カールとソフィアは同い年とのことですが、カールは既に独り立ちしている状態になってきています。マギーは、アンドレアとの会話では、カールはまだ子供だと言い、リックと一緒に暮らすべきと考えていることを明かしています。
アンドレアは、カールは既に独り立ちしていると考え、本人もアレクサンドリアに戻る意思はないことを良く分かっています。
マギーは、ソフィアとカールがくっついて欲しいようです。アンドレアもマギーがそう思っていることを以前から分かっている感じです。親が良いと思う相手と子供がうまくくっつくことは、現実的には、少ないと思います。その様な親の気持ちと現実の違いなどについても、さらりと触れています。
このアンドレアとマギーの会話は、その後のカールとマギーの間の会話に繋がっていきます。カールに対しては、もう子供ではなくなっているとマギーも言っています。カールは、もっと前からそうだったと思っていることを告げて、マギーとの会話を終わらせます。
ニーガンを探すミショーンとアローンは、ウィスパラーズの境界線のところに倒れているブランドンを発見します。ブランドンが手引きしてニーガンを脱走させたこと、ニーガンはまだ遠くには行っていないと思われることなどを、ミショーンは即座に状況を把握します。ミショーンは、状況分析と判断力も優れていることが良く分かります。
場面は変わって、大注目のニーガンのその後の動向となります。ニーガンの呼びかけにウィスパラーズ達が現れます。
口数の少ないウィスパラーズに対して、良くしゃべるニーガン。話も面白いです。少しウィスパラーズをバカにしたような感じのことを言いますが、これはニーガン特有の言い回し、話し方だと思います。マトリョーショカ人形の話などは、ニーガンが幅広い知識をもっていることをうかがわせます。ニーガンは、話が上手です。
ベータが両手に持っている大きなナイフを、ニーガンはMcTWOKNIVESと呼んでいます。GoogleでMcTwoKnivesを検索してみましたが、ウォーキングデッドの154話やベータのナイフとして紹介されている記事が多かったです。ニーガンがその場で、名付けたのかもしれません。
ユージンは、正体不明の女性との無線機での会話で、かなり詳しくアレクサンドリアの状況を話しています。会話が継続して行われていることを示していますが、同時に女性の方はまだ警戒を完全には解いておらず、名前もユージンに教えていませんでした。しかし、会話の流れから、ユージンにとって、とても辛い話題となってしまい、女性は自分の名がステファニーであることを明かします。
カールは、師匠のEarlがアレクサンドリアに行っている間、自発的に鍛冶場で作業を行っていました。カールは、自発的に行動できることを示しています。Earlから、リディアの問題は解消したと聞いて、リディアに伝えに外に出たカールは、マギーに呼び止められます。リックからの伝言をマギーが伝えますが、カールはアレクサンドリアに戻る意思はないことを明言します。冒頭のアンドレアとマギーの会話との繋がりや対比も上手に描かれています。
アレクサンドリアに戻ったアンドレアは、壁に書かれているスローガンを見て驚きます。アンドレアは、プロパガンダという言葉を使っています。プロパガンダというのは、思想教育的な意味で使われます。
propaganda /prɑ̀(ː)pəɡǽndə|prɔ̀p-/
〖<イタリア; 原義は「(カトリック)海外布教聖省」〗
名詞
1 U〘通例否定的に〙主義[思想]の宣伝, 組織的普及活動, プロパガンダ.
2 U布教活動; 〖the P-〗〘カトリック〙布教聖省.
アンドレアはリックに直ちに問いただそうとしますが、傷だらけの顔のリックを見て驚きます。リックとアンドレアの会話は、次以降に詳しく取り上げられると思われます。
ニーガンを捜索するミショーンとアローンは、ウィスパラーズが潜んでいると思われるひなびた住宅街に入ってきました。二人の間の会話は、何と新しいパートナーにジーザスはどうかというような話です。(笑)
アメリカやイギリスのドラマなどでは、ゲイの登場人物や話題が含まれることは珍しくありません。コミックでも同様です。
その話題の最中に、ニーガンの時と同様にベータを含む、ウィスパラーズが現れます。ミショーンとアローンは戦いにきたのではないと説明しますが、境界線を超えることは許されないというアルファの宣言に従って、ベータはアローンの腹を刺してしまいます。重症を負ったアローンがどうなるのかも含めて、今後の伏線となります。
ニーガンは、ウィスパラーズのキャンプに連れて行かれます。彼らがどの様な生活をしているのかも目撃します。そして、アルファ登場!ニーガンはアルファに一目惚れするというシーンで幕を閉じます。恐るべきニーガンがウィスパラーズ陣営に加わって、どうなるのか? ニーガンとアルファのカップルが誕生するのかも含めて、話はさらに大きく動き始めていきます。
英語版のウォーキングデッド コミック 154話
Amazonでは、原語の英語版のペーパーバックやKindle版もAmazonで入手できます。
Kindle版は、1話単位で購入可能です。価格も比較的廉価です。
ストーリーを楽しみながら、英語に馴染む素材としたり、英語の勉強を兼ねて読むのも一つの選択肢です。その様な楽しみ方のサポートをできればと考えて、本サイトでも1話ごとのあらすじと感想、考察の記事を投稿しています。
英語版のペーパーバック、またはKindle版を入手して、本サイトの記事をコンパニオンとしてご利用頂ければ、幸いです。
154話で使われている英語のイディオム
put your foot in your mouth
アンドレアがマギーに言ったセリフ:
“Well, I hate to leave a girl with her foot in her mouth, but I really should be…”
“put your foot in your mouth”は、言うべきではないことを言ってしまったという意味です。(セリフでは、put を省いています。)足を口に入れないので、すべきでないことをしたというところから由来していると思われます。
“put your foot in your mouth”
to say or do something that you should not have, esp. something that embarrasses someone else:
例文: I really put my foot in my mouth – I asked her if Jane was her mother, but she said Jane is her sister.
Looney Tunes
ウィスパーズとの会話で、ニーガンは、looney tunesと言う表現を使っています。Looney Tunesは、1930年から1969年まで放送されたアメリカのワーナー・ブラザーズのアニメのショートフィルムシリーズです。見れば、分かると思います。ぬいぐるみをジッパーを下ろして脱いで別のキャラクターが出てくるようなシーンがあったと思います。ニーガンは、そのシーンを例えていると思います。
“looney tunes”は、acting beyond crazy(クレイジーを超えた行い)の意味のイディオムとしても使われます。
muddy the waters
アンドレアがアレクサンドリアに帰ってきて、壁に書かれているスローガンについてSiddiqに聞いた時、Siddiqは、”I’d hate to muddy the waters with my poor account of things.”と答えます。”muddy the waters”は、状況を不必要に複雑化させたり、不明瞭にさせることの意味です。
「水を泥で濁らせる」と言うような語源から来ていると思います。(割と言葉そのものだと思います。)
muddy the waters
to make a situation unnecessarily complicated and less clear:例文:His suggestions just muddied the waters further, rather than helping the situation.