ウォーキングデッド・コミック 164話 “A Fallen House” あらすじ・考察・感想

コミック あらすじ ネタバレ
ウォーキングデッド コミック 163話 : A Fallen House
0
(0)

164話のタイトルは、”A Fallen House”、倒壊した家と言う意味です。表紙は、アレクサンドリアを一望する丘の上に立つマギーとハーシェル、カールです。3人は、アレクサンドリア内に無数のウォーカーズが侵入している光景を見ています。

ネタバレ

アレクサンドリアに辿り着いたマギー一行。「なんてこと。」と呆然とした表情のマギー。後ろにいるカールも呆然としています。「そんな… こんなことが… 」隣りにいるリディアがカールの背に手をあてて、「あなたのお父さんが死んだということを意味するわけではないわ。何が起きたか分からない。」と言います。マギーも「リディアの言う通りよ。」と声を賭けます。

「分かっている… 分かっている… ただ… おぉ、神よ…」

そこに馬に乗ったミショーンとジーザスがやってきます。「希望を失わないことよ、少年。」、「ミショーン!」。

「私達は、あなた達のキャラバンを見て、あなた達が呆然とすると思った。私達は彼らが来るのを見た — リックはゲートを守るグループと一緒にいたわ — 私達は突然襲われたわけではないの。」

「ゲートが倒れている — 彼らは中にいる。」

「何?」

「構わない。我々の人々は、何を自分たちがしているか分かっている。彼らは対処しているに違いない。家は安全だ。我々は、群れの塊を剥がしている — 剥がした群れは別の方向に向かわせている。我々は、戻るべきだ。」とジーザス。

「私達も加わるわ。」とマギー。

「彼らを東に連れて行く — Lemmingsのように外洋に送り込む? クールだ。」とダンテ。

「俺も行く。」とカール。

「No」とマギー。「あなたは、このことをやるためには、まだ十分に良いライダー(馬乗り)ではないわ。あなたは、ブリアナにこれから私がすることを伝えて欲しい。ハーシェルを守って。周辺を警戒して、安全でなくなったときのために移動する準備をしておいて。」

「カール、言い争っている時間はないわ。」

「分かった。俺は残る。」

マギーは、馬に乗ってジーザスとミショーンと一緒に走り出します。

ニーガンとリック

ウォーカーズの群れを後ろに、ニーガンがリックを引っ張って逃げています。

「頑張れ。うすのろ。 — そのペースだ! 俺にお前の尻を肩に乗せさせるな!」

普段、ニーガンはリックに対してだけは、普通の言葉で話しますが、この切羽詰まった状態の中で、ニーガン節で話をしています。😉

「もう行け! — ドアを開けてくれ — 私も後から行く! 私は、彼らよりも早く動ける!」

「わずかにな。」と振り返って言うニーガン。前の家に向かって走ります。

「よし — これでできる!」とドアのところに行きます。

リックが群れを後ろにやってきます。ニーガンがドアを開けてリックを睨んでいます。ちょっと怖い顔のニーガン。リックが慌てた表情で「待て!待ってくれ!」と言います。ドアに手をかけて無言で見るニーガン。

「来い!」とニーガンは手を伸ばして、リックの手を取って引張り家の中に引き込んで、ドアをバタンと閉じます。リックは息を切らしています。「あんたは、あんたの目の前で直前に俺がドアを閉じてあんたを締め出すと思っただろう?俺に嘘をつくな。」

無言のリック。

「あんたは、あそこで他の奴らを見たよな?あんたを追い越して走っていった — あんたを助けに戻ってこなかったよな?彼らは、怖くなったのだろうか?」

表情を変えず厳しい顔で無言のリック。

「良いだろう。切羽詰まった状況で怒りに満ちた男を演じていろ。そして、黙っていろ。俺が何を気にしているか分かるだろう。静かにしているのがベストだ。そうすれば、ここにいるデッド達は俺達に興味を失って、他の奴らが道を走って通り過ぎれば、そいつらについて行き始める。」

「しかし、真剣な所、俺は自分の心の中の声を使う… あいつらは、あまりにも怖がっていた。Siddiq、アニー… ポーラはもちろんだ。他のすべてのやつら。彼奴等の目を見てみろ — そして、奴らの逃げ足の早いこと。」

「しかし、あんたはそうではない… そして、おれもそうではない。今ですら、この家の中に追い込まれた — 数千の奴らが外にいて俺達を取り囲んでいる — そして、俺達はバカが付くほど冷静だ。」

「お前の言いたいことは何だ?」とリック。

「俺が言いたいことは — あんたと俺、俺達は似ている。俺達はもっと仲良くなるべきだ。」

「ニーガン、俺を信じてくれ。船は既に航海に出た。(遅い。手遅れ。)」

アレクサンドリアの内にウォーカーズの群れがぎっしりと詰まっていています。

アンドレア

アンドレアが法螺貝を吹きます。アンドレアが馬を制して、馬は前足を上げて止まります。

「これは、私達が今までにやったことと何も違わない — ただ多いだけ。心配することはない…」

ウォーカーズの群れの前を馬に乗ったアンドレアが横切ります。

「それで良い、それで… ダメよ — 分裂しない。分かれないで!」

「違う — こっちよ — こっちの方向よ!」とウォーカーズの群れを導いています。

そこにマグナとYumikoがやってきます。

「アンドレア!」

「私達は、今、塊を処分してきたところよ — 手伝ってくれるかしら?」

「もちろん。」

「彼らを引き続き導いて — 私達は迂回して後ろに行って彼らがグループになって分裂しないようにする。」

アレクサンドリア内の人々の状況

ベッドに寝ているコニーが、「外からのあの音は何?何が起きているの?」と聞きます。「ただ休みな — 何も心配することはない。… 」とケリーが答えます。

コニーとケリーは、マグナのグループのメンバーです。161話でコニーは、Dwight達と一緒にウィスパラーズと戦っていた時にウォーカーズに手首を噛まれて、感染を防ぐために手を切断しました。

室内にいるSiddiqとアニー。「これは、全く正しい状況ではないと感じる。ユージンが外に出いている最中にユージンの家の中にいるのは、奇妙な感じだ。そして、これは何だ?」とテーブルの上にある無線機の装置を見てSiddiqが言います。

「彼はドアに鍵をかけずに出ていった。– ここが一番近い場所だった。私達の過ちではないわ。」

大きな部屋に人々が集まっています。立っている人が話をしています。「我々は皆、怯えているのは分かる。 — しかし、我々は、この場所に皆集まっている。そして、少なくとも現時点では — 我々は安全だ。 我々はこれを乗り越える。我々はいつもやっているように方法を見つける。」

ニーガンとリックの会話

室内にいるニーガンとリック。窓の外には多数のウォーカーズが通り過ぎていきます。「少し落ち着いてきたかもな。俺達は、暫くの間、ここにいることになりそうだ。」とニーガン。

離れた距離で向かい合わせで床に座っているニーガンとリック。二人共、無言です。

「今までにあんたがしたことで、最悪のことは何だ?」とニーガンが口を開きます。

汚い言葉で「Fuck off(黙れ)」とリック。

「あんたがその言葉を多く使うのは、俺だからと考えるのは傲慢なことか?そのように俺には思えるということだ… しかし、俺がその言葉を開発したわけでは全く無い。とにかく… 俺達は時間を潰している … あれらが別の所に導かれるのを待っている … または、やつらがここに突入してくる、そして俺達が殺されるか、何になるか… だから、時間つぶしをしよう。あんたがした最悪なこと。言ってみろ。」

ウィスパラーズ戦争編に入ってからのニーガンとリックの会話で、ニーガンが言うことはとても理路整然としていて、道理が通っています。リックも、ニーガンの話は筋が通っていることは内心認めているのですが、過去の経緯があるので、受け入れがたい態度を取っています。

リックは、ニーガンから顔をそむけて無言でしたが、話し始めます。「今の時点で多くのことが頭をよぎる … 絞り込むのは難しい。一つの悪い事の塊は、一つのことにたどり着く … 私がこれまでにした最悪のこと … 」「死ぬべきでない多くの他の人達が死んでしまった時、生きていることだ。」と暗い表情ですが意思の籠もった目で見つめながら言います。

「それは… それは…」目を少し大きくして少し困惑するような表情をするニーガン。そして、少し俯いて、目に手を当てます。「それは、分かる。そうだ。」

「本当に多くの人… 弱い人が泣き叫んでいた。怯えていた。自分たちの力を使って全ての事をして、殺されていった。細々にされるまでに恐れて怯える。俺は彼らに囲まれていた。彼らが全て死ぬのを見ていた… 数えることができない程多かった。

しばらく後になって… 俺は、全ての人が同じようにそのことをすると思うようになった。まあ、ほぼすべての人がその様になる。Dwight、恐怖に囚われて逃げるゲートにいた女達。

俺は人類に対する尊敬(敬意)を失った。あんたが、彼の友人を全て救うことができるかもしれないと考えた時、特に、かれらが奴隷になることが、唯一の生き残れる方法ではないかと考えた時、その男の脳みそを簡単に潰すことができた。

暫くの間、人を人として見なくなっていた… 」

グレンの話題が出ます。ニーガンは、自分に都合の悪い話題を避けずにストレートに話しています。

無言で聞くリック。

「俺は、言い訳をしているのではない。俺は俺がしたことは、一方を持ち上げて、もう一方を叩くことをしていたのは分かっている。」

「あんたは、そのことを俺が気づくことを手伝ってくれた。あんたは、俺に別のやり方を見れるように手助けしてくれた。だから、おれは牢の中に座っていた。だから、俺はアルファの首をあんたの所に持ってきた。あんたの命を救った理由もそうだ。」

「俺がこれまでにした最悪の事は、おれの妻を朽ち果てさせたことだ。」

「俺にはできなかった。他人に彼女を永眠させた。なぜ?俺は、その時、デッドはデッドのままでいる必要がある… 彼女が苦痛な状態にいる、またはバカなような、彼女が … 忌まわしいものに変化するような … 衝動にかられたのだ。

どこからそのような考えが生まれたのか?俺には未だに分からない – 死んでない連中の一人でいるようなこと。全ては、パンプキンパイのような味に感じた。そして、永遠に終わらないNeil Yougのコンサートがようなことが頭の中にあった。ライトがクソを照らす。

彼女は永眠させられた。俺は、そえrを見なかった。その場所に俺は数週間いた… 正しいことをやり直すことはできない。

俺はただ… 彼女がその様になるのを見ることができなかった。彼女を休ませてやる、地中に埋めてやることができなかった。彼女は、床の上に乾いた骨の残骸の山になった… 俺の妻が … 俺のためにだ。」

ユージンとヒース

前方から、ウォーカーズの群れが進んでいます。ウォーカーズの群れを後ろから、馬に乗ったユージンとヒースが見ています。

「彼らから距離を取って、動きを監視する(予想する)。それで十分だ。彼らは、我々が迂回して後ろについたことなど分からないでいる — 彼らは、「我々」に続いて、水(海)に行く。」とユージン。

「もっと連れてこよう。アレクサンドリアが片付いたら、俺達は戻ってきて、残りの奴らが同様にすることを確認する。ユージン、あんたはこれを本当に科学的に行った。感銘した。」とヒース。

「音と動きに引き寄せられる。食べようとする衝動は決して収まらない。グループになる傾向は、予想と操作がしやすくなる。彼らは単純なものだ。簡単に分かる。」

「あんたがそう言うのなら。俺がまだランナーだった時、俺は自分の殆どの時間を、ランニング…それだけをしていた。 それ以外のことをすることに時間を使わなかった。」

「それが、リックが作ったことについて、とても重要なことだ。 — 我々は細かいことに注意を払うことができるようになるために十分な安全がある。今日のような日を覗いてだ…」

「完全に正直なところ… 今日のような日を … 今の時点では、俺はほとんど楽しみに待っていた。」

「常時、サプライ・ラン(物資を探索する)を行っていることで、君は少しアドレナリン依存症になってしまったことが分かるよ。」

「それが全てではない。俺が足を失ってから初めて、馬に載っている自分が最も役に立っていると感じられる。あなたが作ってくれたクラッチは、凄く良く機能している。馬に載っていると、自分がほとんど完璧な感じがする。」

「それは、同じではない。近づいてもいない。しかし、長い間、私はリックとアンドレアの世界に包まれていた。自分が役立っていないとしか考えることができなかった。だから、これをしていると… 私にとっても良いことだ。」

「俺達は、あまりにもやられ放しだね。」

「イエスサー。」

と言って、二人は馬に乗って走り出します。

Dwightとローラ

アレクサンドリアのゲートの近くの外側に馬に乗っているDwightとローラが話をしています。ウォーカーズ達がDwight達に向かってきています。

「もっと必要だ — 塀の内側を見てみろ — 奴らで一杯だ!俺達が奴らを引っ張っていかないと、あそこにある家は持たない!何発か撃て!」

「私達は近づきすぎている — 囲まれるわ!」

「いや。囲まれない。やれ!」

ローラは、不服気な雰囲気で下を向きながら、空に向けて銃を数発撃ちます。

Dwightにウォーカーズ達が向かっていきます。「動け!動け!動け!」と言って、馬の向きを変えます。Dwightとローラの馬の後をウォーカーズ達がついていきます。「うまく行っているわ!」

Dwight達の向かう先にアンドレア、マグナ、Yumikoが馬に乗っています。

「アンドレア — ほら貝を吹いてくれ!」とDwight。

「分かったわ。」と言って、アンドレアが法螺貝を吹きます。

「すまないが、我々は時間がなくなってきている。フェンスが倒されて、アレクサンドリア内が(ウォーカーズ達で)溢れている。あんた達3人 — このグループを連れて行ってくれ。俺達は、塀を越えて戦ってくる。」

「OK。やっておくわ。」

「俺達は先に行って、廻り込んで戻る — 幸運を祈る!」

アンドレアは馬に乗って、後ろを振り返っています。後ろからウォーカーズの群れがついてきます。「待つのよ — 彼らが近くまでこさせてから、動く。彼らを失いたくない。(失わずに連れていきたいの意。)」

Dwightとローラが進んでいくと、ユージンとヒースに会います。「彼女たちは、こっちを引き継ぐ。あんた達は俺と一緒に来てくれ。」とDwight。

「3人の馬乗り達であの群れを連れてくることが十分だと思うか?」とユージン。

「OK… ヒース — お前は俺と一緒に行く。ユージン、彼女たちがこれを成し遂げるのを確実にしてくれ。」

「分かった。」

ユージンは、アンドレアの近くに行きます。「散らばろう — 端から分散しないようにしてみよう。我々、4人でこれはできる。」

「この人の言ったことを聞いたわね。」とアンドレア。

「ええ。」とマグナ。

リックとニーガン

窓の傍から身を伏せながら、ニーガンが外を覗いています。「薄くなり始めた — やつらは、今、中に来るのではなく、実際に外に動き出している。状況は、緩和してきた。」

リックが立ち上がります。「どこへ行くつもりだ?」とニーガン。

「武器を集める。我々は一日中、ここにただ座って隠れていることはできない。もし、彼らが外に行きだしているのであれば、Dwightと残りの者達は、我々を必要としているかもしれない。我々は何かしなければならない。」

「NO」

「今なんて言った?」

「俺が何かする。あんたはここにいろ。あんたが続けることができなくなった後、俺があんたを肩に乗せることはしない、そうすれば俺達、二人共殺される。」

「リックはドアの傍に行って、ドアを少し開けています。銃を持っています。ニーガンはナイフを持っています。「あんたは、ドアのそばにいろ — 俺をカバーしてくれ。撃ちまくったら、内側にすぐに戻るんだ。俺を撃つなよ、分かったな?勿論、あんたが俺は撃たれるのが相応しいと思うのでなければ別だがな。」

リックは無言でニーガンを見ています。

「リック、まったく、これを信じることができるか?俺達は一緒に戦っているんだ!」と微笑するニーガン。

ニーガンがドアの外にでます。既にウォーカーズ達がニーガンに向かってきます。

カール

ヒルトップの住人が集まる中、カールが荷台の上にのって、皆に声をかけています。

「銃を集めてくれ — 俺達はサイドライン(場外)に十分長い間いた!彼らは、我々の友達だ — 我々の家族だ — そして、我々は化の戦いを彼らだけにさせない!群れは薄くなってきている — 俺達の役目をしよう!」

リディアが微笑みを浮かべながらカールを見ています。

「何?」

「なんでもない。」

「俺達は10人単位で行く!準備はいいか!」

セイバーズ

セイバーズ達が武装して集まっています。Taraが、電柱に登って双眼鏡で見ているジョンにアレクサンドリアの状況を聞きます。ジョンは、うまく行っていると言います。ウォーアーズ達が殺到して突入し、良い状況になり、準備はできてきていると言います。見たところ、大惨事は収束しつつあると言います。数時間後に、突入して奪う予定と言います。不敵な表情のシェリーで本話は幕を閉じます。

続きの165話へ

あらすじ感想と考察

163話は、殺到するウォーカーズの大群によって、アレクサンドリアのゲートが押し倒され、そのまま押し寄せてくるウォーカーズの群れに倒れたリックが襲われそうになったところを間一髪で、ニーガンが駆けつけてリックを助けました。

164話は、マギー達ヒルトップの住人がアレクサンドリアの近くまで来て、アレクサンドリアのゲートが倒されて、膨大な数のウォーカーズがアレクサンドリア内に入っている光景を見て呆然としているシーンで始まります。カールも動揺しています。カールが動揺することは珍しいです。そこにタイミング良く、ミショーンとジーザスが馬に乗ってやってきます。ミショーンは、アレクサンドリアの状況を説明します。その時にミショーンも、ゲートが押し倒されて、ウォーカーズの群れが入ってきていることを知ります。ジーザスは、中の人達は室内にいるから大丈夫だろうと言います。ジーザス達が、ウォーカーズの群れを薄くすることを行っていると言うと、マギーも手伝うと言います。

カールも行くと言いますが、マギーはダメだと言います。この仕事は、馬に乗ってウォーカーズの群れを誘導するため、乗馬が上手であることが条件としてあります。カールはまだ乗馬はうまくないので残ってくれと言います。ここでいつもであれば、言い争いとなったりしがちですが、カールは素直に納得します。カールの内面的な成長を感じさせるシーンです。

ウォーカーズに襲われたリックを助けたニーガンは、リックを引っ張って、群れから逃げます。ここでのニーガンとリックのやりとりは、面白いです。ニーガンが先に走って建物の中に入り、ドアに手をかけているところで、リックが慌てた顔をして、待て、待てと言います。ニーガンが怖い顔をしているのは、リックがニーガンがドアを締めてしまうのではないかと考えたためです。後でそのことについて、ニーガンはリックに文句を言います。

ニーガンからしてみれば、リックに復讐をしたい、殺したいとニーガンが思っていたのであれば、とっくにそうしているのにそれをしていないにも関わらず、未だにリックが自分を信用していないことについて思うところがあるのは自然だと思います。さらに、少し前にゲートが倒された時、皆、リックのことなど考えずに逃げ出した中で、ニーガン一人がリックのことを忘れず、戻ってきて助けています。ニーガンはそのことについて恩をきせようとするのではなく、他の者達が恐怖にかられて、リックを追い越して逃げたことを指摘しています。その事自体は、一般の人であれば普通、当たり前だということは分かった上で、ニーガンはリックに離しています。

ニーガンが言いたいことは、リックとニーガンは恐怖に支配されて、我を忘れて逃げ出すのではなく、恐れずに他のことを考えることができるということ、そして、二人は似たところがあるということです。さらには、仲良くするべきだと言うことも言います。これは、ニーガンの本心だと思います。しかし、手遅れだというのがリックの返答です。

アレクサンドリアの塀内にウォーカーズが溢れ、建物以外のスペースを全て覆い尽くしています。

アンドレアがほら貝を吹いて、群れを引き寄せて誘導しています。そこにマグナとYumikoがやってきて、分散して群れを誘導することにします。

マグナのグループのコニーは、先日の戦いで重症を追って寝ています。ケリーは看病しています。コニーは外の様子が気になりますが、ケリーは状況を説明せず、気にせずに休むように言います。

Siddiqとアニーは、鍵の開いていたユージンの家に避難します。Siddiqはユージンの家に勝手に入ったことを悪く思っていますが、ユージンはこの様な状況を予期して、誰かが避難できる様にわざと施錠せずにおいたと思われます。Siddiqは、ユージン宅のテーブルの上の無線装置を見て、あれはなんだろうと言っています。将来、ユージンの無線での会話は、新しい話の展開に繋がっていきます。その辺りの話の伏線をさり気なく引いています。

室内に立てこもったニーガンとリック、外にはウォーカーズで一杯です。ニーガンはリックと向かい合って、リックにこれまでに自分がした最悪の事は何だ?と真顔でリックに聞きます。リックは、汚い言葉で止めろと言いますが、逆にニーガンからその様な言葉を多く使うのはニーガンだからと思うと言います。時間つぶしをするために話をしようと言います。本音は、リックと本心で話をしたいのだと思います。

リックは、ニーガンに対して距離を置く態度を常に取っていますが、実際のところ、ニーガンのことをリックはとても良く分かっています。リックは、多くの死ぬべきでない人達が死んでいってしまったのに、自分が生きていることが最悪だと言います。答えを聞いてニーガンは、少し驚いたような考えるような態度を取ります。自分も同感だったためです。そして、ニーガンの過去を話し始めます。

ニーガンは自分が間違っていたことを知ったのはリックのおかげだと言います。自分の過ちを償う気持ちがあったから、牢の鍵が開いていてもでなかったこと、アルファを片付けたこと、そして、リックの命を救ったのだと言います。そして、ニーガンは、自分が行った最悪のことは、彼の妻を永眠させることができずに、骨の残骸にしてしまったことだと明かします。ニーガンがここまで自分の過去や考えを正直に話すのは、リックだからこそです。ニーガンは、本心からリックと仲良くなりたいと思っていることが伝わってきます。

ユージンとヒースがウォーカーズの群れを監視しながら、話をしています。ユージンがウォーカーズの特徴と群れの傾向を分析して、的確に誘導していることにヒースは感心します。そして、本音を言うと、今日のような状況が来ることを楽しみにしていたと言います。その理由は、足を失ってから最も自分が役立っているからだとユージンに言います。ユージンは、同じではないが、自分も役立っていないと思っていたので、これができて良かったと言います。

ユージンとヒースもこの状況で、二人共、コミュニティーに貢献できていること、役立っていいることについて考えを共有しています。

アレクサンドリアの外でDwightとローラが話をし愛知マス。Dwightは、中を埋め尽くしているウォーカーズ達の状態を危惧しています。そのため、銃を撃ってウォーカーズ達を引きつけるようにローラに言います。ローラは危険すぎると言いますが、Dwightがやれというので、仕方なく銃を撃ちます。結果的に、ウォーカーズ達はDwight達の方に向かってついてくるようになり、Dwightのアイディアはうまくいきました。Dwight達は、向かってくるアンドレア達に出会って、群れを連れ出すのを引き継いでくれるように頼みます。アンドレアは、Dwightの頼みを受け入れます。

Dwight達が進み始めると、すぐにユージンとヒースに出会います。Dwightは、ユージン達に一緒にくるように言いますが、ユージンはアンドレア達3人では巨大な群れを誘導するのは難しいという意見を述べ、Dwightも同意します。ユージンは、アンドレア達の手伝いをすることになります。ユージンは的確に状況を分析して対応することに優れています。Dwightは、そのことを良く分かっています。二人は完全に敵対していた時があり、しかもユージンの最も近い友人、アブラハムをDwightは殺しています。その様な過去がありながら、今はお互いを理解して、信頼し、協力して取り組んでいるところが印象的です。

ユージンは、アンドレアに、それぞれが群れの角に分散して群れが離れないようにしながら誘導させる方法を説明します。アンドレアは、マグナとYumikoにユージンの説明を聞いたわねと言って、マグナ達も分かったと答えます。ユージンとアンドレアは、付き合いが長いので阿吽の呼吸です。マグナ達はアレクサンドリアに加わった新しいメンバーですが、既にチームワークも良く取れていると思います。

外を見ているニーガンが、ウォーカーズの群れが薄くなってきたとリックに言います。それを聞いたリックは立ち上がります。何をするつもりだと聞くニーガンに対して、武器を集めて、外に出て戦うと言います。ニーガンは、リックは室内に残って、自分がやると言います。ニーガンが外に出てウォーカーズを倒し、リックは援護するという作戦になりました。ニーガンは、一緒に戦っているなんて、信じられるか?と嬉しそうにリックに言います。

集まっているヒルトップの住民たちを前に、カールが荷台に乗って皆に話をしています。アレクサンドリア内のウォーカーズが減ってきたので、武器を持って戦いに行くと述べます。リディアは嬉しそうです。これまでのカールは、個人的に行動することが多く、人と協力して何かをするタイプではありませんでした。カールが成長してきていることを良く表しています。

セイバーズ達は武装して、アレクサンドリアの状況を監視しています。数時間後に、アレクサンドリアに突入する計画のようです。ウォーカーズの大群の後、セイバーズが襲う展開となるのか、さらに何か起こるのか、目が離せない状況が続きます。

続きの165話へ

英語版ウォーキングデッド コミック 164話

Amazonでは、原語の英語のペーパーバックやKindle版もAmazonで入手できます。ウォーキングデッド、オリジナルコミック164話(英語)は、Kindle版で購入可能です。

Kindle版は、1話単位で購入できます。価格も比較的廉価です。

ストーリーを楽しみながら、英語に馴染む素材としたり、英語の勉強を兼ねて読むのも一つの選択肢です。その様な楽しみ方のサポートをできればと考えて、本サイトでも1話ごとのあらすじと感想、考察の記事を投稿しています。

英語版のペーパーバック、またはKindle版を入手して、本サイトの記事をコンパニオンとしてご利用頂ければ、幸いです。

用語解説

法螺貝(ほら貝)

トリートーン – 欧米では、ホラガイは「トリトンのトランペット」と呼ばれています。

ホラガイ – Wikipedia

whoa

アンドレアがホラガイを吹いた後、馬が前足を上げてジャンプします。アンドレは、”Whoa, now.”と言います。”whoa” は、馬に止まれ、または、スピードを落とすようにする指令として使う言葉です。

whoa

1 —a command (as to a draft animal) to stand still
2 : cease or slow a course of action or a line of thought : pause to consider or reconsider —often used to express a strong reaction (such as alarm or astonishment)

fan out

ユージンがアレクサンドリア、マグナ、Yumikoの三人の手伝いをしてに来て、”Let’s fan out — try and keep the edges from breaking away. With the four of us, we can do this.”と言います。「4人が分散して、それぞれ群れの角から分裂しないようにする。4人でやれば、これはできる。」と言う意味です。

fan outは、「分散する」です。

fan out phrasal verb
Definition of fan out
: to spread apart or to cause (something) to spread apart