174話の表紙は、キャンプファイアーの火にフライパンをかけて食事を作っているニーガン。タイトルは、”A Solitary Life”です。Solitaryは、「孤独な」や「たった一人の」と言う意味です。
ネタバレ
いきなりアップのニーガン登場。スコップを向けて、「OK、お前は俺と一緒にくるんだ、セクシーな奴め!」
ニーガンは、ひまわりの花の前に膝をついています。「ひまわり、俺の話を聞くんだ。お前は、ゴージャスだ!他のやつに違いを分からせないようにしろよ。少なくとも、雑草には分からせるな。雑草は分かっていない。」
「ひまわり、お前を見ればみるほど、似た何かがあると思う。俺達は、両方共太くて長い根がある。お前は、それは地域のことだと思っているか?根っこは別の意味の言葉でもあるんだ。」
ひまわりに話しかけながら、根を残すように周りを掘って、ひまわりを袋に入れます。後ろから二人のウォーカーズ達がついてきます。
「皆、批評家だ。」
「お前達、知っているか?お前達、たった二人しかいない… そしておれは家のすぐ近くまで来ている。先のことは誰も知らない。お前達は、俺をころすことができるヤツを食っても良いぞ。」と言って、ウォーカーズを押し倒します。(殺すのではなくて、手で押して倒します。)
そしてひまわりを持って、「お前達の暮らしで生きろ。俺は、誰を評価しているんだ?」と言って、走っていきます。
そして、鉢に移し替えたひまわりを、ルシールの墓の前に置きます。
「お前が生きていた時、お前は花には興味があまりなかったのは知っている。しかし、人は世界の終わりの後に再び変わる。もし、お前が生きていたら、この醜い世界の中の小さな美に感謝するように成長していたかもしれない。
それ以外に、最近、するようなことはほとんどない。」
「そして、率直に言って、俺がお前を称えることができることはあまりない。… そして、この事以外に、お前のことを考えていると知らせる術はない。ルシール、俺はいつもお前のことを考えている。それを知ってほしい。」
目を閉じて言います。
「お前が愛する誰かになにか悪いことが起きた時、お前が何て言うか知っている。『代わりに私に起こることを望むわ。』と言う。その言葉のままの時もあれば、そうでない時もある。しかし、俺が死んで、お前が生きていてくれればどんなに良いかということをいつも思っている。お前だったら、俺がしてきたこととは全く違ったことをしただろう。お前は、物事に対して賢く対応したことだろう。
お前は、おそらくひとりぼっちで終わることはなかっただろう。」
しばらく俯いて黙っています。
「違う。俺はもっと強い。」
「明日も同じ時間に会おう。良いな。」と言って、家の中に入ります。
家のドアを開けた所に寝袋と食料などが置いてあります。「ホーム、スウィート… 」
ニーガンがライフルで、犬を撃ちます。そして、夜、キャンプファイアーで肉を焼いています。「俺は、腹が凄くへっている。分かるか?最終的にデッドに食われてしまうのは、馬鹿げている。」
翌日、ルシールの墓の前で、「まだ、犬について悪いと感じている。味も良くなかった。」
道の脇の溝に落ちているトラックの荷台を開けて、中に多量の缶詰があったので「ジャックポットだ!」と言います。
夜に、缶詰を食べた後で「期限切れの缶詰のフードめ!全くしょうもない。おお、ゴッド。」
昼に通りがかった道の横に納屋の建物を見つけます。「もう一つの場所に立ち寄っても問題はないな。」と言って、ドアを開けます。納屋の奥の隅に、バットが立てかけてありました。
「No」
「だめだ。だめだ。だめだ。」、「だめだ」とうつむいて言うニーガン、目が凶悪に変わっています。
空の缶詰とウォーターボトルを横に、ニーガンが仰向けの状態で体には毛布をかけています。腕を頭の後ろに組んで、考え事をしています。
翌日、ルシールの墓の前で、片膝をついて話しかけます。「お前は、馬鹿げた野球のバットではない。俺は、頭のおかしい人間のようにお前と話している。しかし、お前は俺の死んだ妻… ルシールだ。野球のバットにお前の名前を付けたのではない。あれは、ただの馬鹿げた野球のバットだ。俺は好きではなかった。本当にそうではなかった。俺は、バットを交換することができる… それは、お前を交換することではない。そうではない。」
ニーガンは、納屋に向かって走っていきます。そして、バットを手にして嬉しそうな顔で、「俺は、再び若返った。そして、生きたい!」
バットを肩に乗せて、嬉しそうに歩いています。「ふむ?」と横の柵に張られている鉄条網を見ます。「あれを見てくれないか?」
ニーガンは、座って、バットに鉄条網を巻き付けています。「多分、制限があって今はきついと思う。しかし、お前は慣れてくるようになる。いい娘だ。それを約束する。
直ぐに第二の肌の様になってくる。それがないとはだかでいるように感じるだろう。しかし、それなしになることは決して無い。なぜなら、お前の一部だからだ。そうなんだ。」
「それを使う計画をすでに立てたの?」とニーガンの背後に立つマギー。手には銃を持って、銃口をニーガンに向けています。
「ダンテ、外で私を待っていて。」
「良いのか?」
「ええ。」
マギーは、家の中に入りドアを閉めます。
「あなたは、私が誰か分かるわよね?」
「ああ。勿論分かる。俺は老人痴呆症ではない。」
「良いわ。だったら、なぜ私がここにいるか分かるわね。」と銃を向けたまま言うマギー。
「おれは、十分に良く想像できる。銃もあるからなおさらだ。あんたは、俺のことをおそらく良く思っていないと想像している。リックが、俺を牢に入れて(生かして)いたことも嬉しいことでなかったのは分かっている。おれがここにいて、自由に動いていることを知って、更に嬉しくなくなっていると確実に思う。」
「あなたは、このことについて本当に落ち着いているように見えるわ。」
「マギー… この世界でしてきたことを後悔するほど十分に長く生きることは贅沢なことだ。あんたを恐怖に陥れた思い出を思い出させるのに十分な、静かなひとときがある。
俺がしたことを詫びる。すまなかった。
俺は戦わない。」
ニーガンは、澄んだ目をしています。
マギーは少し驚いた表情になり、無言です。その後で、怒りに満ちた目に変わります。
「あんたは、私があなたがしていることが分からないと思うの?!
あんたは、私から同情を得ようとしている。あなたがした全ての後で、静かで理路整然とした男を演じようとしたってだめよ。
私は、それで騙されたりはしない。」と怒りの籠もった目で怒鳴ります。
「これは演技ではない。俺は、あんたの…だけでなく」
「夫」
「自分のやってきたことについて考える時間が数年あった。グレンが、彼の名前だよな?ああ、そうだった。聞いてくれ。俺は、自分のしたことに誇りを持っていない。俺はした。したことは、意識して、意図的に行った。なぜなら、俺はそれをする必要があったと本当に信じていたからだ。」
「かなりの期間の後、感覚が麻痺していた後、俺が自分がしたことに慣れていた後、全てが普通に感じるようになってきた後… 俺は、楽しんですらいた。それを認める。
それで、俺の周りの多くの人が死んだ。(世界がウォーカーズに変わった)初期の頃、俺は全ての人は、既に死んでいるかのように借りた時間で生きている様に考えるようになった。
少なくとも半分は、実際に好きだった10または20人の知っている奴らを養うため、あちこちで人を殺した。生きるため?簡単な交換だった。」
「生き残るために、人間として最低なことをしなくても良いことを、俺達がこの世界を実際に良くすることができる方法をリックが示してくれた。… 」
「俺のルシールは死んだ… ほとんどすべての人、誰もが愛する人をおそらく失っているだろう… しかし、もしグレンが、あんたのルシールだったら… 」
「そうだ。それが俺が最も良く分かっている辛いものだ。」と言って、涙を流します。
「あなたは、彼女の顔を明確に思い出せる?あなたの妻の顔を?」
「鮮明にできる。」と涙をこすります。
「彼女の声を聞くことができる?」
「そう思う。… 俺達の会話を思い出すことができる。そして、おれは… 」
目を閉じて静かに微笑む様な表情をします。
「私がグレンの顔を思い出そうとするといつも、彼が私の名前を叫んでいるものしか見ることができない。彼の目が飛び出して、頭蓋骨は陥没している!
私は彼の声を聞く時、それは私の名前を叫んでいる。苦痛に喘いで、混乱している — それが私の彼の記憶よ。
そして、あなたが笑っているのを見る。」
目を開いて、マギーを見るニーガン。
「分かった。それなら。」
「分かった。それなら、何?」と涙を目にためて言うマギー。
「それなら、俺を殺せ。おれは、そうされるべきだ。やってくれ。」
鉄条網を巻いたバットをマギーは見ます。
「それは、叙述的な同期を得ることができるだろう。… 俺にとって、痛みが伴う… しかし、おれは尊重する。俺は、あんたが望むなら、そのバットを使うことが、恐らく満足できる十分な結果をもたらすだろう。」とニーガンもバットを見て言います。
マギーは、「いいえ。私はあなたを殺さない… 」顔をそむけて目を閉じて、涙ぐみながら言います。
ニーガンは、覚悟を決めた懇願するような目でマギーを見ています。
マギーの銃を持つ右手を掴んで、銃口をニーガンの額に当てて、「やるんだ。」と言います。
驚く表情のマギー。ニーガンは目を閉じて、歯を食いしばっています。
「おれは、この様な状態で生きることはできない。おれは孤独ではいられない。俺は… これが相応しい。引き金を引くんだ。マギー。
やれ!
お願いだ。」
ニーガンは、目に涙をためながら、訴えています。
マギーは苦悩の表情、額からは汗が流れます。
「グレンの顔を思い出せ。それを思い出すんだ?!俺がしたことを思い出せ?それが、俺がどういう人間なのかだ!それがおれに相応しいことだ。それを俺は再びするかもしれない。」と言って、涙を流します。
「俺はこれがして欲しい。お願いだ。俺は、全てを終わりにさせたい。俺は、これが終わりになる準備ができている!俺は、あんたに殺してもらいたい。どうか、おれを殺してくれ?!」
「お願いだ!」、「お願いだ」
マギーは戸惑う表情から、落ち着いた表情に変化していきます。
「いいえ。私は、あなたが望むものをあげない。」と言って、目を閉じて、銃を持った手をつかんでいたニーガンの手を振りほどきます。
「しかし… 」、「しかし… 」
ニーガンの目からは涙が止めどもなく流れ落ちています。
「あなたは、自分がしたこととともに生きなければならない。」と言って、ニーガンに背を向けて家の外にでていきます。
ニーガンは、がっくりと肩を落としてうなだれた状態でいます。
外で待っているダンテに「行きましょう。」とマギーは言います。
「君は、… しなかった。」
「いいえ。彼には、価値がないわ。」と厳しい表情で答えます。
うなだれて座り込んでいるニーガンの傍にウォーカーズ達がやってきます。「我々は、彼をそのままにしておくべき… 」とダンテが言います。
マギーは、ニーガンに近寄っていたウォーカーズを撃ちます。ダンテは驚いた表情で見ています。
そして、マギーは突然、ダンテにキスします。ダンテは、目を見開いて驚いています。
「家に、帰りましょう。」と言って、マギーは馬を引いて歩き出します。ダンテは、動きが止まっています。
うなだれて座り込んでいたニーガンが、ジャケットを着て、立ち上がります。そして、もう一度しゃがんで、バットに巻いた鉄条網を外しています。
夜に大きな火を焚いて、ニーガンは火の中にバットを投げ入れます。バットは火に包まれます。ニーガンは火を背にして、歩き出します。これまでのニーガンとは別人のような表情をしています。
感想と考察
173話は、オハイオ州のコミュニティーと話し合いを行うために指定された待ち合わせ場所に遠路はるばるやってきたユージン達一行がサーチライトで照らされて、銃をむけられ、手を上げるように命令された所で幕を閉じました。
174話は、ユージン一行のその後は一旦お休みで、ニーガン一色の展開となります。ウィスパラーズとの戦争が終了し、ベータを含む残党も倒されて、完全に決着がつきました。全ての建物が焼失したヒルトップでは、住人が一丸になって驚くべき速さで再建が進んでいます。ウォーカーズの大群が押し寄せたアレクサンドリアも、後片付けは速やかに行われて、ほぼ元通りになってきています。
これからの話は、ユージンが無線を通して知り合った巨大なコミュニティーとの関係などに話の中心が展開していくと予想されます。新しい展開に移行する前に、アレクサンドリアを出発した後のニーガンの状況、そして、自由になったニーガンのことが頭から離れないマギーがどう行動するか、リックからリーダーの座を奪おうと考えるDwightの動向について、ある程度、収束させることが予想できます。
Dwightに関しては、173話で一番の理解者であるローラからも完全に不支持され、さらには絶縁すると言って去られました。ローラすらついて来てくれない状況で、リックからリーダーの座を奪うのは現実的ではないため、既にDwightは考えを断念した、または断念することになるため、既に収束済みとも考えられます。
ニーガンとマギーについては、やはり非常に大きなことなので、174話で収束する展開となりました。
アレクサンドリアを出たニーガンは、ルシールの墓の前で暮らしています。ひまわりを鉢植えにして、墓の前に飾り、毎日ルシールと話しをしています。ニーガンにとって、ルシールが如何に大切な人だったかが良く分かります。そして、ニーガンは今もルシールの事を忘れることができず、後悔と想いを引きずって生きていることが明らかです。そして、ニーガンが孤独であることを自分でも強く感じていることを、ルシールに話しています。
ニーガンは、通りがかりに見つけた納屋の中で、野球のバットを見つけます。最初に見つけた時は、抵抗しますが、孤独な暮らしと寂しさから、ルシールの代わりはないが、バットは代わりを作っても良いと自分の中での気持ちを整理して、バットを取りに行きます。バットを手にすることで気持ちに張りが戻り、更に鉄条網も入手して、以前のニーガンが愛用していたバットの様に、鉄条網をバットに巻き付けています。
この鉄条網を巻いたバットを、ニーガンはルシールと呼んで、愛用していました。鉄条網が巻かれたバットは、セイバーズの独裁者時代のニーガンを象徴するものです。ニーガン自身も、そのことは十分に分かっていて、最初にバットを見つけた時は手に取らずに帰ってきましたが、孤独な暮らし、寂しさを紛らわすための誘惑に負けてしまったとも言えます。また、過去のニーガンの象徴であるバットを再び持つことは、以前のニーガンに戻るリスクもあります。
ニーガンがバットに鉄条網を巻き付けている時に、マギーが家に入ってきます。マギーは、銃をニーガンに向けています。マギーは、ドアを閉めて、ダンテに外で待つように言います。ニーガンと二人で話をして、決着を付ける考えであることを示しています。
マギーがニーガンのところに来た理由は、ニーガンを殺すことが目的であることは、ほぼ確実です。単に話をしに来たわけではありません。また、リックがニーガンを外に出してから、マギーはニーガンのことが頭から離れることはなかったことは、随所に描かれています。ニーガンの所にやってきたのは、自分の気持と過去に決着をつけることでもあります。
マギーは、自分が誰であるかとニーガンのところに来た理由を分かっているかと尋ねます。これは、とても自然な流れの質問です。
ニーガンは、もちろんマギーのことは知っていると答えて、マギーが来た理由も十分に良く想像ができる。(良く分かる)と言って説明します。元々、リックがニーガンを殺さずに牢に閉じ込めていたこともマギーは反対だったこと、そしてさらには、リックがニーガンを開放して自由にしたことが承服できないということを言います。
ニーガンは、人の気持ちや考えを良く分かっています。そのことは、これまでにも何度も描かれてきましたが、マギーに対しても、マギーの想いと考えの要点を明確に指摘しています。
そして、純粋な目で、自分のしたことをマギーに謝り、抵抗しないと言います。マギーは、一瞬戸惑いますが、同情をかおうとして演技しているだけだろうと逆に怒りを増します。
ニーガンは、以前の自分について説明し、リックが世界を良くする方法を示してくれたことに気づいて、自分がしてきたことを再認識して反省したと語っています。そしてルシールのことを話して、マギーにとってのグレンがルシールだったら、マギーの心の痛みは本当に良く分かると涙を流します。
しかし、マギーは冷静です。ニーガンに、ルシールの顔を思い浮かべることができるかと質問します。ニーガンは、明確にできると答えます。マギーは、さらに、彼女の声を聴くこともできるかと質問します。ニーガンはそれもできると言って、わずかにほほ笑みを浮かべます。
マギーは、グレンの顔を思い浮かべようとすると、いつも彼の断末魔の叫びが聞こえる。それが、自分の彼の思い出・記憶となっている。と言います。これは、本当にマギーにとって、辛いことであり彼女を苦しめる忌まわしい過去で断ち切ることのできないものだと思います。そして、その原因を作った張本人が、目の前のニーガンです。
ニーガンは妻の顔や声を良い思い出として持っていることができても、マギーは違うことをニーガンに伝えます。
ニーガンは、素直に受け入れて、自分を殺すことは意味のあることだと言います。さらには、鉄条網の巻いたバットを見て、それを使えばさらに自分に苦痛が伴うので、マギーが望むなら使うことを提案します。
しかし、マギーは、ニーガンの反応と発言で、気持ちが変わりました。マギーは、ニーガンを殺さないと言います。すると、ニーガンは銃を持っているマギーの右手を掴んで、銃口を自分の額に当てて、引き金を引くように懇願します。その時にニーガンが言ったことは、「この様な暮らしはできない。孤独ではいられない。マギー、引き金を引いてくれ。やれ。お願いだ。」です。さらに躊躇するマギーに対して、「グレンの顔を思い浮かべろ。俺がしたことを思い出せ。おれは、またそのようなことをするかもしれない。もう終わりにしたい。頼むから殺してくれ。」と言います。
このトドメに近いニーガンの言葉で、マギーの気持ちは完全に切り替わってしまいました。彼女は、もはやニーガンを殺す気は全くありません。自分のしてきたことへの償うために生きなければならない。と行って、立ち去ります。
家から出てきたマギーを見て、ダンテは、マギーがニーガンを殺さなかったことに少し驚いています。
家のドアは開いたままで、力なく座り込むニーガンが見えます。ニーガンの傍にウォーカーズがやってきます。ダンテは、ウォーカーズにニーガンを殺させるというのもあることを示唆します。今のニーガンの状態であれば、ウォーカーズが襲ってきても、抵抗しないことが予想できます。マギーの手でニーガンを殺すのではなく、ウォーカーズに殺させるほうが、ダンテにとっても気持ち的に良いと思います。
しかし、マギーはニーガンのそばにいたウォーカーズを撃ちします。マギーは、ニーガンを生きさせることを強く望むことを示しています。ダンテは、マギーの行動に驚いています。更に次の瞬間、マギーはダンテにキスします。ダンテは、本当に驚愕の状態で、マギーが歩きだしても、呆然としています。
ニーガンは、跪いた状態で長い時間いましたが、その後、立ち上がってジャケットを着て、バットを手にします。そして、夜に大きな火をたいて、バットを火の中に投げ入れます。そして、ニーガンは背を向けて、立ち去っていきます。立ち去るニーガンの顔は、これまでとは全く別人のような顔になっています。
マギーは、ニーガンと話すことで、最終的に気持ちの区切りを完全につけられることになりました。ニーガンが生きている事について、これまではずっと引きずっていましたが、これからはもう、これまでの様なニーガンのことを考えることは完全になくなったことは明らかです。そして、ニーガンとの話の後でダンテにキスしたことは、引きずっていたグレンへの想い、パートナーはグレンのみなので、自分一人で生きていくと言う考えについても、決別したことを表わしています。
以下は、ウィスパラーズ戦争の時にマギーがダンテに言ったことです。
「私が愛するのはグレンだけ。私には、それ以外の人が私の心にいるスペースはないの。あなたには公平ではないと思う。」
「君は幸せになりたくないのか?つまり君は、君の旦那が死んだから、これからの人生を孤独で生きるということか?君は、新しい人生を(誰かと共に)過ごすことはない?」
「私は彼のことを考える時、幸せよ。あなたに理解してもらおうとは思わない。あなたにとって意味がある(理解できる)ことかどうかは気にしない。」
昔とは違う今のニーガンであるために、マギーは過去に決着をつけることができました。昔のままのニーガンだったり、ニーガンの態度によっては、全く異なる展開になっていた可能性が高いです。
そして、ニーガンもマギーとの会話とやり取り、そして、懇願してもマギーが自分を殺さなかったことで、気持ちに大きな変化が生まれました。それを示すのが最後のシーンです。マギーとの会話の前に、バットを持ち帰って喜んでいた心境から大きな変化が生まれていることを示しています。バットを火の中に投げ入れたことで、バットと自ら決別しています。そして、別人のような顔になっています。
人は接し合うことで、お互いの考え方、生き方に影響を与え合います。家族、友人が最たるれいですが、かつての敵との人間関係からも影響と変化を受けることを、ウォーキングデッドは見事に表わしています。174話は、正にその最たる例です。
英語版ウォーキングデッド コミック 174話
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ストーリーを楽しみながら、英語に馴染む素材としたり、英語の勉強を兼ねて読むのも一つの選択肢です。その様な楽しみ方のサポートをできればと考えて、本サイトでも1話ごとのあらすじと感想、考察の記事を投稿しています。
英語版のペーパーバック、またはKindle版を入手して、本サイトの記事をコンパニオンとしてご利用頂ければ、幸いです。