176話の表紙は、コモンウェルスのガードを両脇に立たせ、中央に座る女性(パメラ・ミルトン)。巨大なコミュニティー、コモンウェルスとの関わり開始についての6話構成の第二話です。
ネタバレ
「私の母を見ませんでしたか?」と書かれ、ビニールで丁寧に包まれた本棚の前に笑顔で立つミショーンの写真を見て、ミショーンの目から涙が止めどもなく流れ落ちています。これまでのミショーンとは、顔つきが違います。
「ミショーン?大丈夫か?」と隣りにいるユージンが言います。
ランスが腕を組んで不機嫌そうに「ここで、何かあったのか?(一体どうした?)」と聞きます。
ミショーンが、貼られていた写真を外して、涙を流した顔のままで、「私を6番街のベーカリー(パン屋)に連れって頂戴。今すぐに。」と言います。
「残念だが、それはできない。」
ミショーンは、馬に乗っていたランスの胸ぐらを掴んで引張り、「私は頼んでいるのではない!」と言います。
ランスの後ろにいるガード(護衛兵)が銃をミショーンに向けて、「彼を離せ!今すぐだ!もう一度言わない!」と命じます。
「ミショーン!止めて!何をしているの?!」と慌てて、マグナが駆け寄ってきます。
ミショーンは、ランスの胸ぐらを掴んでいた手を話します。そして、跪きます。
「私の娘 … Elodie(エローディー)… 」
「彼女は生きていた。彼女は… 」、「彼女は私を探している。」
「彼女は生きている。」後ろから、驚きと心配の入り混じった顔で、ユージン、マグナ、Yumiko、Siddiq、プリンセスがミショーンを見ています。
「私の娘は、生きている。」と写真を胸に抱えてこぼれ落ちる涙を拭かずにミショーンが再度言います。
「彼女は生きていた。それらの写真のいくつかは、何年もの間、貼られているものもある。今、それらの人がどこにいるか決して分からない。」とランス。
「あなた、ふざけているの?」とマグナ。
「問題は、私は私を知っている。良いかね、私は彼女の質問に対する答えを知らない。しかし、幸いなことに我々は、それが分かる場所に向かっている。故に、馬に乗って、進んでいこうではないか?」
ミショーンは馬に向かって歩き出し、「道を先に進んで頂戴。」
一行はスタジアムの横を通り過ぎます。そして、街中に入ります。通りには出店が立ち並び、様々な商品が販売されています。人も沢山います。
人々の中から、「ユージン!」、「ユージン!」と手を上げて、呼びかける女性がいます。ユージンは、馬から降りて「ステファニー?!」、「君がステファニーか?」と女性に向かって、走り寄ります。
「何だ– ?!」、「ステファニー — 下がるんだ!」とランスが馬車から降ります。
「ごめんなさい。彼らは、私を待ち合わせ場所に行かせてくれなかった。私は、とても心配していたの — あなたがここに来れて、嬉しいわ。」
「この場所(コミュニティー)は、問題もある。でも、あなたのオリエンテーションの後に、お話しましょう。OK?」とステファニー。
ランスがやってきて、ステファニーの手を掴んで、「私は下がるようにと言った!ステファニー、君はあ良く分かっているはずだ!これは、正気の沙汰ではない!」と言います。
「私は、彼らに私と会うと約束した!彼らはとても注意深い人達よ!私は、彼らに私達を信用して欲しい。」
「君は、その信用を築く資格を持っていない。我々が、この件は取り扱う。承認されていない君の無線使用について、我々が許したことは早すぎたのかもしれないな?適切な処分を再考すべきか?」
「いいえ。すみませんでした。」と頭を下げて謝るステファニー。
「それなら、OKだ。君は、この時間、仕事をしているはずだ。君の仕事の配属について、私に変えさせるようにさせないでくれたまえ。君が望まない所に配属されることになるぞ。」
ミショーンは、驚いた表情をして、無言です。
大きな建物のドアをランスが開けます。「このベーカリーに我々がどの位近いか?」、「近くではない。もし、ここで全てがうまく行けば、君達は自由に出歩くことができる。中に入って進んでくれるようお願いする。ここでの質問によって、再会が少し遅れるだけだ。」
建物の中でスーツを着、ネクタイを着用した年配の男性が両手を広げて出迎えの挨拶をします。
「コモンウェルスは君たちを歓迎します。私の名前は、マクスウェル・ホーキンスだ。世界の中にああるより多くのコミュニティーについて知ることはできるのは、常に素晴らしいことだ。我々に希望を与えてくれる。」
「最初に我々に連絡をとったのは、君たちの中のどなたか教えて頂きたい。」
「私がしました。」とユージン。
「そして、君の職業は?私の質問は、崩壊前の意味だ。」
「何か?私は、高校の科学の教師だった。」
「それは、単純ではないですね。そちら女性はいかがですか?」
「色々なことをしていたわ。私は、コーヒーショップ、レコード店、沢山のお店で働いていた。それから暫くの間、私は — 」とプリンセスが答えているのを遮って、「それで十分です。あなたはどうですか?」
「私はロイヤー(法律家)だった。」とミショーン。
「公認弁護士?」
「私的な事柄を取り扱う(プライベート・プラクティス)、パートナーにやらせていました。これが、何か意味があるのかしら — 」
「意味があります。私に付いて来て下さい。」とマクスウェルは歩き出します。
部屋の中央に女性が座り、両脇にガードが立っています。「こちらは、ミショーンさんです。彼女は、私的な事柄をご自分で取り扱う(プライベート・プラクティス)専門の法律家でした。」とマクスウェルが女性にミショーンを紹介します。
「素晴らしいわ。ミショーン、ようこそ。私は、コモンウェルスのガバナー(知事・統治者)パメラ・ミルトンです。どうか、座って下さい。」
「私は、私達が誰であるかを始めに説明します。
コモンウェルスは、丘の上にある輝く指標です。私達の世界の残骸から立ち上がったもののようなものです。そして、混乱から秩序をもたらしました。」
「私達は、5万の強い人から構成され、さらに人が増えています。
私達は、あなたがまだ存在していると望んで夢見ていたことそのものです。簡単に申し上げると — 私達は文明社会を取り戻したのです。あなたを歓迎します。」
険しい表情で立っているミショーン。パメラは、少し微笑みを浮かべた表情です。二人はしばし無言の状態となります。
「私は、「ありがとう(感謝します)とここで言うべきなのかしら?」
「もしもあなたが、丁寧でいることについて何らかの興味が少しでもあるのなら、そうです。」
ミショーンは、無言です。
「OK。それらなら … 少し緊張を緩めましょう。あなたのコミュニティーについて、話してくれるかしら?そこには、どの様な人がいて、どの様に生活し、何人いるのかというような事柄です。
コモンウェルスのメンバーとしてあなた達を迎え入れるべき理由を話して頂戴。」
「誰が、私達が望んでいると言ったの?
私はあなたが質問している事と同じ程、あなた達について質問しようと考えているわ。」と言って、席に座ります。
廊下の壁側に並んで置かれている椅子にランスとユージン達が座っています。
「我々は、(ここで)何をしているんだ?」とユージンがランスに聞きます。
「君達は、待っている。この(ミショーンとパメラの)ミーティングが、どの様になるかによって、君達はこのコミュニティー内を自由に探索できるようになるか、立ち去るように求められるかのどちらかになる。故に、静かに待ってくれたまえ。」
前からガード達がやってきます。
「俺は、シャワーを一週間浴び続ける。」
「俺はシャワーを1時間浴びて、1週間寝る。」
「Mercerは、マジェンタ軍団との遭遇できなかったことを聞いたら、機嫌が悪くなるだろうな。彼は、軍団達を殺すのが大好きだからな。」
と話しながら、ユージン達の前を通り過ぎます。
「紳士諸君、戻ってきたことを歓迎する。全員が無事戻ってきたのを見ることができて良かった。」とランス。
「結構、タッチアンドゴーだったが(際どい所もあったが)、我々は片付けることができました。2度だけ、戦闘隊形を取り直すことになりました。我々は、良く機能するマシーンです。」
「Mercerは、君たちを良く訓練している。十分な休息を取り給え。」
「イエスサー。できる限り早く動きます。」と言って、兵士達は廊下の先に進んでいきます。
「我々は、3日間、君達を待ってキャンプしていた。我々は、君達を連れてくるために多くの尽力を尽くした。そして、君達はここに着た。それが価値のあるものであることを望む。」とランスがユージンに言います。ユージンは、無言です。
パメラがミショーンに話をしています。「私達は、仕組みを築き上げた。ただの安全だけでなく、警備、そして全ての事柄を、元に戻した。指導者達が指導する。指導される者達は従う。私達は、デッドが氾濫してきた時に散り散りになったパズルの破片を全て集めた。そっして、それらを、適切な場所に戻したのよ。」
「私は、あなたが言おうとしていることに付いていけているのか分からない。」(言っていることの内容と趣旨が理解できているか分からない。)
「人々は、何かをするために何かが必要となる。それを私達は提供する。文明社会は、マシーン(機械)よ。機能するためには、全ての部品が適切な場所になければならない。」
「それを私達は行った。それには痛みが伴う過程があった。しかし、私達は、全ての車輪とベルトとスクリューと歯車がエンジンと繋げた。」
「私は、ひと目見てあなたについてのことが分かった。あなたは、エンジンよ。」
「私達、エンジンは… 私達は、一緒になって働かなければならない。分かるかしら?」
「文明社会は、大きな機械なのよ。全てのエンジンが相互に同じ方向に動いて機能しなければ、動くことができない。もしも、私達が… しなければ、何が起こるか分かる。?」
「混乱よ。」
「そして、全ての車輪、ベルト、プーリー、スクリュー、歯車、ワイヤー、そしてそれ以外の何もが、どうなるか分かる?」
「それらは、散り散りになる(分解される)– 機械は壊れてしまう。そして、彼らは失われる。これらの武力ですら、そのことは分かる。」
「彼らは、同様に武力は継続した繁栄をコモンウェルスとそこにいる人々にもたらすことに絶対に欠かせないものであることを知っている。」
「イエス、マダム。我々はそうです。」とガードの一人が言います。
「Ok。止めて。
私は、あなたにユーモアを言って、これが終わらせるか見ていた。それが、最も早く終わらせることができる方法に思えたから。
でも、早くはなかった。」
と言って、目を押さえます。
「何かおかしいところがあるかしら?ミショーン、何かしら?」とパメラが心配そうに言います。
「私の娘。私は、彼女を失ったと思っていた。この全てが始まってから、彼女に会っていない。とにかく、彼女はここにいる。どうにかして彼女は生きている。」
「あなた達の探し人のボードだかなんだかに、私の写真があった。彼女は私を探している。彼女はここにいる。そして、彼女は生きていて、私を探している。」
「だからもし、それが全てあなたにも同じ事となる … あなたは、コモンウェルスのことを私に納得させて、私をあなたの側に持ってきたいのでしょう?彼女からの声を私に聞かせてくれるかしら?」
「私は … 私自身、母として、私は、今あなたが経験していることを想像することができない。率直に言って、あなたがここまでに見せた自己抑制のレベルに驚愕している。私は、この全ての時間をあなたがこれほど落ち着いていられることが、正直に言って私には考えられない。
あなたの娘さんを探しに行きましょう。… 」
「今すぐよ。」と言って、パメラが歩き出します。」
「私が、私自身であなたをエスコートするわ。」
「ありがとう。」とミショーン。
ベーカリーの店の前に、パメラとミショーンが来ます。「ここに違いないわ。ここよ。」とパメラ。
「ガバナー・ミルトン、光栄です。」とお店の主人らしき人が言います。
「大げさにしないで頂戴。あなたは、– と言う名前の従業員はいる。」とElodieの名前を言う所で、「マット、全て終わりました。先に持っていって構わないかしら?」と店の奥から黒人の女性が店内に入ってきました。
「フェンダーソンズの所へか?、彼らは多分… Elodie、どうしたんだ?」とお店の人が言います。その後ろに立っているミショーンが目を見開いています。
しばし、言葉を失って見つめ合う、ミショーンとエローディー(Elodie)。
「私よ。ベイビー。ママよ。」と目に涙を浮かべて言うミショーン。
持っていたケーキを皿ごと落としてしながら、走り出すエローディー。
二人は抱き合います。
あらすじ、感想と考察
コモンウェルスに行く道の途中にある消息不明の家族の写真が一面に貼られている板の中に、ミショーンの写真をユージンが見つけます。写真は、ミショーンの生き別れとなっている娘、エローディー(Elodie)が貼り付けたものでした。175話は、自分の写真がボードに貼られていることに気づいて涙を流すミショーンで終わりました。176話はそこからの続きです。
あらすじ
ミショーンは、自分の写真を持って、エローディーのいる6番街のベーカリーに今すぐ連れて行くようにランスに言います。ランスは、写真は何年も前から貼られているものも多く、写真を貼った人物が今もいるかは分からないと言います。しかし、コモンウェルスに行けば分かると答え、ミショーン達は、コモンウェルスに向かいます。
コモンウェルスの街中は、出店が並び、多くの商品が販売されています。道行く人達も沢山います。コモンウェルス内は、ウォーカーズが氾濫する前の社会に戻っているかの様な状態です。ユージン達の一行が街中を通っている最中に、通行人の中の一人の女性が、「ユージン、ユージン」と手を振って呼びかけます。その女性は、ステファニーでした。ユージンは、馬を降りて女性の所に行き、「君がステファニーか?」と尋ねます。ユージンの名前を知っている人は、コモンウェルスの中ではステファニーだけです。ユージンは、無事にステファニーに会うことができました。しかし、ランスが間に入り、ステファニーに仕事に戻るように言います。
ステファニーは抵抗しますが、ランスは命令に従わないのであれば、ステファニーの無線の無断使用などについての処分を再考すると言い、ステファニーは従います。
ランスとユージン達は、コモンウェルス内の大きな建物の中に入ります。建物内には、マクスウェルと言う名のスーツに身を包んだ初老の男性が、一行を迎えます。マクスウェルは、訪問者の過去の職業を聞きます。ミショーンが、プライベート・プラクティスの法律家だった言うと、マクスウェルはミショーンを別室に案内します。そこには、両脇に護衛を立たせ、座っている女性がいました。女性の名は、パメラ・ミルトンと言い、コモンウェルスのガバナー(知事)でした。パメラは、ミショーンにコモンウェルスについて説明をします。廊下では、並べられた椅子に座ってユージン達とランスが座って、ミショーンを待っています。
パメラは、コモンウェルスは階級制の社会であることを暗に説明し、ミショーンは指導者層として加わるように言います。ミショーンは、パメラの話には興味がなく、しびれを切らし、コモンウェルスに入る前に、探し人の看板に生き別れとなっている自分の娘が貼った写真を見つけたこと、自分をコモンウェルスに引き入れたいならば、娘の所に連れて行くようにと言います。パメラは、ミショーンの気持ちを理解し、自分も同行する直ぐに行こうと言います。そして、ミショーンの写真に書かれていたエローティーの働いていると思われる5番街のパン屋に行きます。
そこでミショーンは、エローディーと再開を果たします。抱き合う二人で176話は幕を閉じます。
感想と考察
生き別れになっていた娘のエローディーが貼ったミショーンの写真があることから、エローディーがコモンウェルスにいるとミショーンは知り、即座に会おうとします。しかし、コモンウェルスは巨大なコミュニティーで、手続き後に探すという話に、ミショーンは納得し、一行はコモンウェルス内に入ります。コモンウェルスの街中の様子から、往来する人々の数も多く、商品も多数販売されている繁栄している文明社会であることが、良く分かります。
街中で、ユージンの名を呼ぶステファニーと、ユージンは会うことができます。しかし、ランスはステファニーに立ち去るように命じます。ステファニーは一旦、抵抗したものの、ランスが処分を再検討すると言われて、素直に従います。繁栄したコミュニティーであることは明らかですが、何かがありそうです。ユージンも懐疑的な表情をしています。コモンウェルスの問題などについては、今後、明らかになってくることが予想できます。
ユージン達は、コモンウェルス内の大きな建物の中に案内され、そこで、マクスウェルというビジネススーツを着た男性から、過去の職業についての質問を受けます。ミショーンが法律家であることを知ると、マクスウェルは別室に案内します。そこには、コモンウェルスのガバナー、パメラミルトンがいました。
パメラは、コモンウェルスの仕組みをミショーンに説明し、指導者層に加わるように誘います。ミショーンは、娘のことで頭が一杯の状態だったと思います。パメラの話を、耐えて聞いていましたが、しびれを切らして、自分を仲間にしたいのであれば、娘に会わせるようにと言います。パメラは、ミショーンの気持ちを理解して、即座に行こうと言います。そして、ミショーンの娘、エローディーの働くベーカリーで、ミショーンは無事に娘と感激の再会することができました。
ミショーンは、リックのコミュニティーの重要なメンバーの一人ですが、娘と再会したことで、コモンウェルスで暮らすことになる可能性が高いです。さらには、コモンウェルスの指導者の一員となることが予想されます。コモンウェルスは、一見、理想的なコミュニティーに思えますが、何らかの問題を抱えていることが既に垣間見られています。これから、それらの問題は明らかになってくることは確実です。
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